住宅の品質確保の促進等に関する法律について


文:山本秀樹
Est:2000.7.10.

●概要

 住宅の品質確保と消費者の保護を目的とした「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(促進法)が平成12年4月に施行されました。
 促進法の2つの柱が「瑕疵担保期間の10年義務化」と「住宅性能表示制度」です。

●瑕疵担保期間の10年義務化

 住宅の新築工事を請け負った工務店や分譲住宅の売主は、施主や買主に対して、新築住宅の基本構造部分に引き渡しの日から10年以内に瑕疵が発見された場合、その瑕疵を無料で補修するなどの責任を負うことになります。

【瑕疵】

 瑕疵(かし)とは欠陥のことを言い、引き渡す新築住宅の品質・性能として当初約束されていたものと異なることをいいます。

【瑕疵担保の対象】

 瑕疵担保の対象となる住宅は新築住宅に限られます。
 新築住宅とは、新築されてから1年以内のもので、人の住居として使用されたことのなかったものを言います。

 瑕疵担保の対象となる部分は建物の基本構造部分に限られます。
 基本構造部分とは以下の通りです。

【住宅性能保証制度】

 促進法による性能保証は、業者が責任を負うというものなので、業者が倒産した場合にはどうすることもできません。
 そこで、従来より(財)住宅保証機構が行っている「住宅性能保証制度」を利用する(任意)ことで、瑕疵担保の保険保証がより確実になされることになります。

【問い合わせ先】

住宅性能保証制度:(財)住宅保証機構(03-3584-5748)
(社)滋賀県建築士会草津分室(077-569-6505)

●住宅性能表示制度

 住宅の基本的な性能を明示するルールを定めることで住宅の性能を客観的に比較できるようになります。
 従来より建築基準法により住宅性能に厳しく規制がなされています。この制度の利用は任意で、建築基準法で定める性能よりどれだけ優秀かを評価することになります。

 住宅完成後、建設大臣指定の専門機関が契約通りの性能を実現しているかチェックを行います。
 住宅性能評価機関は性能評価を行い、「設計住宅性能評価書」の交付をします。(手数料10万円程度)
 評価の依頼は業者だけでなく個人が行うこともできます。

【性能評価基準】

 性能評価の基準には下記のものがあります。

【トレードオフ】

 注意が必要なのは、全ての能力を満たすことは非常に難しいということです。
 例えば、開口部を広くして採光を多くすると、熱が逃げやすくなるというように、ある性能を高めようとすると多の性能が低くなるというトレードオフの関係があるからです。
 それに、住環境に応じて不要な機能を削減し、コストを抑えることも重要なことです。
 住宅性能評価は、その住宅の長所と短所を明確に表示してくれますので、生活や環境に合わせて優先する性能の組み合わせを考えることが大切になります。

【紛争処理体制】

 完成段階の性能評価を受けた住宅にかかわるトラブルに対して、建設大臣の指定機関が裁判外の紛争について、あっせん、調停又は仲裁を行います。
 裁判よりも費用負担を少なく(1万円程度)、早期に解決させるため住宅紛争処理機関が住宅性能評価機関と連携して解決にあたります。

【問い合わせ先】

住宅性能評価機関:(財)滋賀県建築住宅センター(草津市)
住宅紛争処理機関:未定


【参考文献】(財)日本住宅・木材技術センター「住宅性能表示制度のあらまし」
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