巴里散策


文:山本秀樹
Est:1998.6.19.

 1998年6月14日、日本が初めてワールドカップの本舞台に立った。場所はフランス南西部の大都市、トゥールーズ。
 その為に11日から日本を発ち、当日までをパリ郊外で過ごしました。地下鉄でパリ市内へと行くと、そこは歴史の積み重ねられた街です。
 調和を保った本当の街並みがそこに広がっていました。個々の建物はそれぞれの魅力を放ちつつ、街全体での均整を決してやぶることはないのです。これこそ日本の都市部にない馥郁たる歴史の香りではないでしょうか。
道程:(12日)ルーブル美術館、凱旋門、エッフェル塔 (13日)オペラ座、オルセー美術館

Palais Royal

 地下鉄のPalais Royal駅から地上へ上がると、石造りの建物が整然と並んでいます。目の前にはカフェテラスがあり、通勤客がその脇を急いでいます。
 パレ・ロワイヤルとルーブル美術館に挟まれたこの空間は広場になっています。ここから、左手(南)がルーブル美術館です。
 道路の交通量は多いのですが、網の目のように道路があり、信号のない交差点も多くありました。
 また、建物は高さがほぼ決まったように一定で、上を見ているだけではその建物が宮殿なのか、アパートなのかお店なのか分かりません。

Musee du Louvre

 ルーブル美術館の入り口は中央にある透明なピラミッドです。それを囲むように噴水がしつらえてあります。
 奥に見えるのはルーブルの3つの棟の1つ、ドノンです。
 早朝でまだ人は少なく、調度開館の時間でした。
 ルーブルは宮殿を改装し、その収集物を主に展示しており、エジプト、ギリシャの紀元前の彫刻・出土品から、フランス、イタリアの17〜19世紀の絵画まで揃っています。その所持品は10万点を越えるとされ、この広大な美術館でさえ全てを展示することは不可能です。
 中でも圧巻はその見事な彫刻群です。その時代、その場所に住んでいた人々の息吹と躍動が伝わってきます。

 アテナ神像サモトラケのニケ

Musee du Louvre

 ルーブル美術館の中から外を見下ろすとセーヌ川が見えます。橋の向こうに建物が見えることからシュリーからの景観のようです。
 手前の柵はルーブルのモノですが、どこかで見覚えがあります。少し見難くなってしまいましたが、太陽のようなイタリア的なデザインで、その中心に顔が描かれています。そう、それこそはベルサーチのデザインに見られる顔のある太陽そのものです。
 セーヌ川に架かる芸術橋(Pont des Arts)、その向こうはホテル(Hotel des Monnaies)の建物です。

 アポロの間ナポレオン3世の居室

Musee du Louvre

 ルーブルの東には中庭のある方形の建物があり、シュリーと呼ばれています。そこから西を見下ろすと中央の噴水とピラミッドがあり、その向こうにカルーゼル門がちらりと見えています。左右に見えるドノン(南棟)とリシュリュー(北棟)の先端はそこまで伸びています。
 奥に広がる緑はテュイルリー庭園です。これも広大で緑豊かな公園になっています。それを抜けるとコンコルド広場に出ます。そこからシャンゼリゼ通りとなり、目前には凱旋門を見ることができます。
 お昼頃ですが、入り口の行列は長く続いていました。これは荷物のX線検査や金属探知器によるボディチェックのためです。

Avenue Des Champs Elysees

 シャンゼリゼ通りの東半分は緑の公園の横を通っています。車線は片側4車線あるでしょうか。
 遙か遠くに凱旋門が見えています。左手の建物を見ると高さが揃っているため空との境目がハッキリと分かります。
 右側の歩道が写っていませんが、幅6m程の歩道に大勢の人がいます。もちろん、カフェテリアも歩道の上にいくつもありました。

 凱旋門(Arc de Triompae Etoile)

Rue Hamelin

 凱旋門からエッフェル塔まで歩いてみました。これは大通りから入った小さな通りです。
 一部の隙もない雰囲気です。路地裏だから特別汚いと言うことはないのですが、タバコの吸い殻や犬の糞などは石畳の上でも平気でそのままにしています。この点は郊外の方が目立ちます。
 人通りの少ない通りでは下に気を付けて歩く必要があります。

Tour Eiffel

 エッフェル塔に登るためにはエレベーターと階段があります。やはりすいているのは階段です。
 この日は強風のため2階までしか登れませんが、14F(@\26=\364)を払って階段で登りました。
 やはりこれ以上に高い建物はありませんから、その景色は抜群です。何もかも見渡すことができます。遙か遠くの海は見えませんが、セーヌ川が海へ向かって伸びていきます。
 モンマルトルの丘もハッキリとそれだと分かります。また、ナポレオンの棺を納めたインヴァリッドも一際黄金に輝いていました。

 エッフェル塔全容

Place de l'Opera

 オペラ座の界隈も非常に賑やかで、観光客の割合がかなり高い場所です。
 ロビーには無料で入場することができ、そのきらびやかな内部をうかがうことができます。さらに奥へ入るには見学料が必要です。
 みやげもの売場はロビーの隅にありますので、そこで買い物ができます。しかし、休み時間になるとお客をシャットアウトします。レジもサッサと閉めてしまいます。仕事の時間の終わりに厳密な場面は喫茶店でも同じです。それだけ個人の時間を大切にするということでしょう。

 オペラ座内部

Seine

 セーヌ川越しに見るルーブル美術館と、カルーゼル橋(Pont du Carrousel)です。
 川は綺麗には見えませんが、ゴミが浮いているということはありませんでした。両岸の道路から下にも川縁の歩道があって、少なくはありましたが人々が休息していました。京都の鴨川の雰囲気です。
 川には幾つかの観光用の船着き場があり、200人ほどが乗れる周遊船が定期的に川を往復しています。スピーカーから日本語のガイドが聞こえていました。
 この辺り、写真には写っていませんが、歩道に緑色の横長の箱が引っかけられています。それを上に押し開くと本屋さんになります。古本や小さなおみやげ品、水彩で描かれた街の絵なども売られています。

Musee d'Orsay

 セーヌ川を挟んでルーブルの斜め向かいにあるオルセー美術館は、駅舎であったためか外にも中にも大きな時計が壁の高い場所にしつらえてあります。特に、入り口を入って背後にある巨大な黄金の時計はその装飾も見事です。
 ルーブルよりは小さいモノの、作者別に分けられた館内は多数の作品で溢れています。また、中央は4階まで吹き抜けとなっていて、彫刻を左右にあしらった通りとなっています。
 オルセーも川縁に建っていますが、全面の道路は片側3車線はあります。やはり、昔は馬車を使っていたからでしょうか、どの道路も十分に幅があります。

 オルセー美術館内部

Musee d'Orsay

 オルセー美術館の出入り口が左にあります。この広場の端には6体の彫像があります。また、広場の中にはサイなどの動物の像も3点ほどありました。
 奥に見える建物はアパートのようです。商店の入ったアパートなど多いわけですが、中庭があって採光のことを考えた造りになっています。もちろん中庭といってもただの石畳であったりします。
 市内は地下鉄が縦横無尽に走っており、オルセーの地下には特急(RER)の駅があります。エッフェル塔やルーブルも特急や地下鉄でどこからでも簡単に行くことができます。

 地下鉄は8Fの切符を買えば、どこまででも乗ることができます。パリ中央部にある幾つかの特急にも地下鉄の切符で乗り降りが可能です。また、カルネ(carnet)と言って10枚まとめて買えば48Fとかなりお得です。
 道路は国によってマナーの違いでとまどうことがあります。パリでは信号が赤でも隙を見て渡ります。大きな交差点でも横断歩道に信号が無いことがあります。オペラ座の両脇の通りもそうです。渡り出すと止まってくれますが、いくら待っていても車は止まってくれませんので上手に渡りましょう。
 バスも頻繁に見かけましたが、残念ながらバスには乗る機会がありませんでした。
戻る