不動産売買の流れ


 不動産を買いたい場合、売りたい場合、何をどうすればいいのでしょうか?
 この流れには実はいくつかの決まり事があるのです。その最大の目的は買主の保護です。そして、業者から一般顧客を保護する法律が用意されています。
 これらは民法であったり宅建業法というものですが、ここでは売主・買主の行動を通じて必要な知識と重要な注意点を解説していきます。
 平成10年10月の情報を元に作成しています。制度や税率の変更も適時ありますのでご注意下さい。
 買主:(1)物件選び(2)売買契約(3)ローンの手続き(4)決済と引渡(5)取引後 
 売主:(1)媒介契約(2)売買契約→(3)−−−−−−−→(4)決済と引渡(5)取引後

不動産屋へ行こう


不動産(家・土地)を買いたくなったら不動産(家・土地)を売りたくなったら

予算を決めよう

 さて、不動産を買おうとは思うけども、いったいいくらまでなら買えるのだろうか。
 2000万、3000万と言われても通帳には入ってないしなぁ・・・。
 借りるとなると当然、収入以上のものは払えない。そうすると自ずと予算が決まってくるようだ。
 年収が万円で、年で支払うとして・・・
 金利がどれくらいだったかな?えーと%か・・・これでっと

 月々の返済可能な上限は千円くらいだなぁ。ボーナス返済を合わせると月々の返済額はこの半分か。
 これで、借入可能な上限は万円ということになった。
 →詳しく計算

年収:同居または名義人の年収の合計(合算)
借入年数:木造新築・中古で25年、高耐久住宅で30年、マンションは35年
返済可能額:年収の1/5が適切な返済可能な上限
借入可能額:返済可能額を元利均等払いで逆算

 実際にはこの他に物件価格の2/10は頭金として現金が必要なので、さっきの計算だと借入額の1/4の万円以上は必要になるわけだから、購入可能な物件価格は万円からということになるんだな。
 おっと、登記費用や火災保険に・・・そうそう、引越の費用も忘れないようにしないと。これは借りることができないから、余分に見て200万円は覚悟がいるかもしれないな。
 不動産屋に売買契約の仲介をしてもらう場合は、その手数料も必要だ。400万円以上の物件には3%+6万円の手数料がかかる。

住宅資金贈与制度:
 通常、財産を譲り受けると贈与税がかかります。
 住宅資金の贈与を受ける場合、軽減措置があり550万円までだと税金がかかりません。1500万円までは大幅な軽減措置があります。
 さらに結婚20年を過ぎた配偶者からの贈与なら2000万円まで非課税となります。

 でも、実際には金利も頭金の割合も金融機関によって差があるし、諸費用の計算は物件の価格によって変動するらしいから、専門家に計算してもらうのが一番いいな。
 具体的な融資可能額や諸費用計算は、公庫や銀行のホームページ、銀行の窓口、不動産屋の方にお願いすることにしよう。

物件情報を集めよう

 さて、よく新聞に不動産屋の広告が入っているんだった。そう言えば、不動産情報専門の雑誌もあったっけ。
 最新の情報はやっぱり不動産屋に行かないとダメだな。予算や相場のことも気になるし・・。
 まずは、広告で物件の当たりを付けてみよう。

 その前に幾つか希望の条件を決めておかないと、どこから手を付けていいの分からないな。
 最低限必要なことは・・・

  • 地域(不動産を購入したい範囲)
  • 必要な住環境(学校や病院、交通などの条件)
  • 必要な間取り(家族構成に応じた条件)
  • 予算(総額または月々の返済可能額)
 というところだな。
 当然、家族の意見も聞いておかないと後でけんかの種になりかねない。

 さて、物件の目安を付けたら不動産屋へ足を運ぼう。
 もし、思った物件がなかったとしても、希望地域の地元の不動産屋へ行けば情報は集まってくるはずだ。

 不動産屋に行くだけでなく、現地周辺の住環境を知るための行動も重要だな。
 また、希望をハッキリと伝えておくことで、希望の物件を後日探してもらうこともできる。

売主・仲介物件

 物件資料の中に売主とか、代理、仲介などの種類があるようで、これは何だろう。
 仲介手数料がいるというのは仲介物件だけのようだ。これは持ち主(売主)が個人または一般の企業で、不動産屋は売買の仲介をするという意味だ。
 売主物件というのは新築や建売に多いようだ。これは不動産業者が物件の持ち主で、仲介手数料は必要ない。当然、売買代金を不動産屋に支払うのだから。
 そして、少ないのが代理物件。これは不動産屋が仲介してくれる物件なんだけど、どうも仲介手数料はいらないらしい。聞くと、持ち主がその負担をするという契約を不動産屋と持ち主で行っているからだって。
 物件の種類(取引態様)によって手数料が変わってくることが分かった。

不動産屋を選ぼう

 不動産を売却するならやっぱり地元の不動産屋だね。
 物件の情報は結局地元の業者に集まるようになっているもので、お互いに協力を求めたり、情報交換をしているのです。
 それに情報が集まるということはお客も集まってくると言えるし、少なくとも地元の相場や顧客の情報も持っているのだから、確実性が高い。

 もちろん、複数の業者へお願いすることも有効だが、売却希望の値段をまちまちにしては混乱の原因を作るだけなので、これには要注意。物件情報は地元業者の間を動くので値段の違いはすぐに伝わり、これが曖昧な態度と受け取られると買い手が付きにくくなってしまう。

売却価格の見積もりを取ろう

 この見積もりだが、引越と違ってあれこれ比較して決めるものではない。
 希望の金額と実際の相場の間で決められる。地元の業者の方が価格にはシビアなようだが、実際にはその方が早く売れるだろう。
 ただ、あくまで見積もりは相場の金額であること。付加価値はほとんど付かないが、同じ値段で付加価値のある方が早く売れるということかな。これには普段の手入れが重要だから、売るとなってからだと修繕にお金をかけないとこの付加価値が現れないことが大半なようだ。

 残りの借入金などの関係でどうしても希望の物件価格が高くなってしまったが、ジワジワと値段を下げるよりは2・3カ月で一度踏ん切りを付けた方が良さそう。
 家を修繕し直すか、思い切って売りやすい値段にしてみるか・・・
 家を建て替える場合、どこまで思い切れるかも先に考えておかないといけないし、家の下取りもあるかどうか確認しておこう。

媒介契約

 さて、家を売る値段が決まったら不動産屋で仲介のための媒介契約を結ぶことになる。
 もちろん、口頭でお願いすることもできるが、契約をすることでその内容を約束することができる。
 媒介契約には売り手に不利なものもあるので、要注意。ただし、売り手に不利だと言うことは業者に有利な点があるため、まじめな業者なら安心することができる。
 媒介契約の契約期間は3カ月と定められており、自動更新はできない。不利な契約を回避するために、事前の説明と、更新時にもう一度内容を確認した方が良い。

契約の種別売り手の利点業者の利点
一般媒介契約複数の業者と同じ媒介契約ができる
自ら買い手を探しても良い
 
専任媒介契約自ら買い手を探しても良い他の業者とは媒介契約できない
専属専任媒介契約 他の業者とは媒介契約できない
自ら買い手を探してはならない

 業者に有利な条件ほど、業者にとっては発奮材料となる。それは確かな報酬を約束することになるから、その期間(3カ月)内に買い手を探してくれる。
 一般媒介の場合、他の業者も報酬を得ることができるため、業者間のトラブルが懸念される。もちろん、これは業界のモラルの問題だが・・・
 最もお薦めは専任媒介。これを結ぶと業者は不動産流通機構のコンピュータへデータを登録して、情報交換を広く行うようだ。
 専属専任は本当にその意味を理解してから契約しよう。もし、自分で買い手を見つけてきて、売買契約も個人同士で行うとしても、必ず業者に仲介手数料を払う約束をした媒介契約なんだって。
 そうそう、媒介契約書には媒介の価格も入っているので、むやみに価格の変更はできなくなる。これで、気持ちも固まってきた。
 仲介してもらうや、代理で売ってもらう場合には、仲介手数料や代理報酬も明記されている。

 不動産を買うときはこわごわと契約書を見ていたけど、売るときにもやっぱり契約書はしっかりと読まないとね。

代理契約

 不動産を売る場合、不動産屋に買い取ってもらう方法や仲介という他に、代理という方法もあるんだ。
 これは仲介手数料の倍額を売主が負担することで、買い手にはその負担がなくなるため、買い手にとっては買いやすい物件となる。
 アメリカでは仲介と言えば、これが標準なんだそうだ。
欲しい物件が見つかったら買い手が見つかるまで

とにかく現地へ

 広告や物件資料から希望に近い物件をいくつかピックアップしてみた。
 車でまずは最寄りの駅へ到着、それから現地へ行ってみることにした。現地と駅などを歩いてみるのも重要らしいが、今回はちょっと遠い。
 このとき、同じ不動産屋の資料から物件を見て回るなら、色々と尋ねることもできるんだ。中古の物件の場合、中を見せてもらえるかどうかは、先に確認しておかないと、先方の予定もあるからね。

 こうして、何度かは休みの日を利用して物件巡りをしてみることにした。そうしていく間に、目が肥えてきたのかあれが良いこれが良いと思うようになってきたけど、予算もあるし・・・
 目が肥えるほど妥協する点が多く感じてくることもある。まあ、でも、良い点だけを見て買うよりは安心じゃないかな。

不動産の価格がちょっと・・・

 これだ!という物件に出会っても値段が合わないということは多いようだ。
 でも、ここまでやってきてあきらめるのは早いんじゃないかな?
 不動産屋に予算の相談と合わせて物件の価格について尋ねてみると、価格についても交渉してもらえると言うことだ。
 しかし、交渉する以上は買う意思をハッキリと示さないといけない。当然、買うかどうか分からないのに交渉しても、先方に失礼だもの。
 そこで、不動産の購入依頼(申込)書にサインをすることになった。

 その依頼書を不動産の持ち主に示してもらい、交渉をお願いした。この時の不動産屋の様子では可能性があるようだった。しかし、先方の事情もあることだから、結果を待つしかない。

整理整頓を怠りなく

 媒介契約を結ぶと3カ月はその契約の制約を受けることになる。
 中古住宅の場合、家の中も見てもらう方が良いので、整理整頓は欠かせない。出せる荷物がある場合は、すっきりと見せるためにも出してしまった方が良いようだ。
 また、室内犬がいると好印象にならないことが多いので、事前に預けることも重要。ただ、匂いは直ぐに取れないので、できれば長期間預かってもらえるようにすると良いのだけど。

 

媒介契約の更新

 3カ月の媒介契約の期間が過ぎると、再度媒介契約の内容を検討することになった。
 主には価格の見直しということになる。また、一般媒介から専任媒介に変更したり、専任から一般に変更して他の業者にも任せて見るということだ。
 代理契約に切り替えるという方法もあるし、値段は大幅に安くなるが不動産業者に買い取ってもらうこともできるだろう。

 また、どうしても価格の見直しができない場合は、いくつかの修繕をすることになるだろう。この修繕のポイントは不動産屋に聞いてみると、玄関や廊下のワックス処理、お金はかかるが外壁の塗装のやり換え等があるという。
 これらの修繕は物件のセールスポイントにもなることからウィークポイント(弱点)を直してもらうことだ。不動産屋から買い手の反応を元にアドバイスをしてもらう。
 売却をしたとしても、その後1年は見えない問題点に関しても売主の責任となるため、白蟻などの後から責任を追及される修繕は事前に対処した方がよい。その方が、お互いに気分もいいし・・・。


売買契約を行うまで


買主の準備売主の準備

契約の準備

 売買契約の前に、重要事項説明を受け、その後、売買契約を行うということだ。

 契約の日に持参するものは印鑑(実印でなくともよい)と手付金、収入印紙だな。

 手付金は物件によって異なり、宅建業法の定めにより違約金と手付金を合わせても物件価格の2割を越えてはならい。もし、その金額を超える部分は無効となるため支払う必要はない。
 手付金を持参する場合、現金で用意するのだが、安全性を考えて事前に銀行で保証小切手というものを作れるらしい。
 この保証小切手は、落としたり盗まれたりしても必ず銀行の口座を通じてでないと現金化されないため誰でも現金を受け取れるものではないんだって。発行までに数日と手数料(735円)が必要だけど安心だね。ただ、現金化されるまで2・3日かかるらしいので買主の希望を確認しておかなくちゃ。
 それからこれも以外と忘れがちだけど、土日や祝日に契約するときには、銀行も郵便局も閉まっていたってこともあるから、事前に用意するようにしたほうがいいね。

 収入印紙は1000万円から5000万円の売買契約で、2万円(平成11年3月31日までは1.5万円)となる。これは郵便局で購入できるので事前に用意しておこう。

契約の準備

 契約日に持っていくものは、預金通帳、印鑑(実印でなくともよい)、収入印紙かな。

 通帳は受け取った手付金を入金するためだが、振り込みをしてもらう場合は不要だ。
 また、保証小切手を受け取る場合は、それを口座のある銀行窓口へ持参して通帳へ入れてもらうことになる。このとき、直ぐに現金化されないので、引越費用等で即日必要な場合は現金を受け取るように申し出をしておかないといけない。

 収入印紙は不動産を買ったときと同じように契約書に貼るものだけど、翌年の確定申告で必ず契約書が必要になるので、忘れると大変なことになる。気を付けよう。

契約日の買主契約日の売主

重要事項説明

 契約の前に、買主には重要事項の説明というのが不動産屋の宅建主任者からあるそうだ。(交換の場合は双方に説明)
 この重要事項説明というのは宅建主任者でないとできない仕事なんだって。なるほど、従業員証明書の他に主任者証を見せてもらった。

 重要事項とは不動産に関すること、取引に関することが含まれる。
 →詳細は用語集:重要事項説明

 分からないところは分かるまで聞いてみよう。
 業者が売主である物件の場合に出てくる手付金等の保全措置ってなんだ?
 なるほど1000万円を越える手付金や、中古物件の場合は価格の1割を越える手付金を支払うときに、それを保護してくれる制度があるわけだ。内金も含めて、必ず保護策がないと業者は金銭を受け取ることができないということだ。
 手付金というのも聞くことはあるけど、本当はどういうものなんだろうか。これには、契約締結の証約と解約金や違約金の意味があり、買主は手付金を手放すことで、一方的に契約を解除することができる。逆の場合は売主から2倍の解約金をもらうことになる。なるほどなるほど。
 内金も非常に重要なのだそうだ。代金の一部金を途中で支払う場合、その時点で契約の内容を実行したことになり、手付金の放棄による解約はできなくなるんだって。
 →詳細は用語集:手付金

 重要事項説明が終わり、最後に宅建主任者が記名・押印をして、私も買主として記名・押印を行った。

 重要事項説明書の主任者の印は、説明した主任者と別の者でも構わない。
 重要事項説明書が事実と間違いないことを認定して判を押すこと。
 一般の買主に重要事項を漏らさず説明すること。
 この2点は宅建主任者でなければ行うことはできない。この責務は不動産業者にある。

引き渡しまでの心得

 これから売買契約を結ぶわけだが、履行に着手されるまで契約は完全に有効なものとはならない。
 そして、物件の引き渡しが完了するまでは、物件の正常な状態を保たねばならない義務を負っている。

 しばらくして、売主の方が現れた。これから売買契約が始まる。

 契約の履行に着手とは、売買契約後、内金または全額の支払いを受けたり、物件を引き渡すこと。
 履行の完了とはそれらが全てなされることを言う。

 さて、契約の時間少し前であったが買主は先に来ていたようだ。

売買契約

 双方が同席した上で、取引主任者または営業担当者から売買契約書の内容について説明を受ける。
 代金の決済方法やお互いの責務を確認して、買主と売主の双方が同じ内容の2通の書類にそれぞれ記名と押印を行う。買主と売主が各々1通を保管するものだ。このとき、それぞれ契約金額に基づいた収入印紙を貼って、割り印をしておく。

 買主が住宅金融公庫や銀行などの金融機関から融資を受ける場合には、契約書にローン特約と呼ばれるものがあって、もしもローンが借りられない場合は契約を解除できるというものだ。

 というのも、金融機関はこの契約書に基づいてお金を貸すかどうかを決めるので、契約書を提出しないと全く結論がでないのだそうだ。
 ローンの実行がハッキリするまでは売主が手付金を一時的に預かっていることになる。

 さて、早速この契約に基づいて、買主は手付金を支払い、売主は領収書を渡す。
 これで契約の締結は完了となる。

 この契約の後、買主が内金を支払った場合、売主には物件の引き渡し義務が発生する。これを契約の履行に着手したと言う。
 契約の完了に向けての実作業が始まったことになり、手付金の倍額返還による一方的な解約ができなくなる。双方ともに契約を遂行することが義務づけられる。

 もしも、契約の履行に着手後、やむをえず解約をする場合は、先方から損害賠償請求を受けることになる。
 本来、手付金は損害賠償請求を避けるための違約金としての性質を持っているが、内金や残額の支払い、または、物件の引き渡し後には手付金の効力は失われる。

 業者によってはこの時点で仲介手数料を預かる場合があるようだ。これは事前の準備に当たるので、確認をしておいた方が良い。


ローンの実行まで


ローンの申込(買主のみ)

必要な書類等

 ()内は書類の入手先。
 実印:市町村役場に実印登録してある印鑑
 印鑑証明書:実印を証明するための書類(届け出たときの市町村役場)
 所得証明書:前年度の所得を証明するもの(住民票のある住所地の市町村役場)個人事業主においては3年分の納税証明書
 住民票記載事項証明書:住民票のある市町村に対してその内容の一部(必要事項のみ)を証明してもらうための書類。
 健康保険証(写し)
ローンの実行(買主のみ)

必要な書類等

 ()内は書類の入手先。
 実印:市町村役場に実印登録してある印鑑
 印鑑証明書:実印を証明するための書類(届け出たときの市町村役場)
 住民票:(住所のある市町村役場)
 保証保険料:買主(権利取得者)の死亡時に借入金の弁済を行う保証機関への手数料
 火災保険料:購入物件に対して必ず火災保険への加入が必要となるため
 事務手数料:銀行に支払う手数料
 収入印紙代:借入の書類に貼る
 通帳と印鑑:借入金を受け取るための通帳とその届出印

不動産の引き渡しまで


買主の準備売主の準備

書類と諸費用

 実印、住民票、残代金、登記費用、仲介手数料が当日必要となるため、事前に準備しておこう。

 当日に固定資産税の日割り精算をする場合は、その精算金を用意。

 登記簿に記載される住所を購入した場所にするためには決済までに住所を移転しておく必要がある。後日、登記を変更する場合は、登録免許税がかかってしまう。また、売却時に戸籍の付票が必要となる。

書類と諸費用

 実印、印鑑証明書、権利書、抵当権抹消書類、登記および売渡証書作成費用、仲介手数料
 登記簿の住所が現住所と異なる場合は、住民票または本籍地から戸籍の付票を取り寄せる。住民票では前住所しか記載されていない。登記の住所がそれよりも前の場合は戸籍の付票が必要となる。

 物件の引き渡しを当日に行う場合は、固定資産税通知書、家屋・物置等の鍵も忘れないように。

決済日の買主決済日の売主

抵当権の同時抹消

 売却する不動産に抵当権や根抵当権が付いている場合、銀行で金銭消費貸借(借入金)の抹消を事前に行っておくか、売却したお金でそれらを同時に抹消してもらわないと、買主が安心して不動産を受け取ることができない。
 そのため、銀行の一室を借りて金銭の貸し主(銀行など)と司法書士(登記の手続きを行う)が同席して、最後の金銭決済を行う。

 同時に行われる金銭と権利の流れを順に見てみよう。
 まずは金銭の流れ。

  1. 買主が金融機関から代金を借りる。
  2. 買主が借りたお金で代金を売主に支払う。
  3. 売主は受け取った代金で金融機関に借入金を返済する。
 金融機関の権利の流れは金銭の流れの3から始まり1で終わる。
  1. 売主が借入金を返済することで、金融機関は物件の抵当権を放棄する。
  2. 新たに買主の名前で物件に抵当権を付けることで、買主に借入金を支払う。
 この2つの流れに応じて、物件の所有権も売主から買主へと移転する。
 これらがすべて同時でなければならないため、司法書士は売主・買主・金融機関の委任を受けて立ち会うことになる。その後、この事実を登記するのである。

権利書の流れ

 司法書士は、売主から売却した物件の権利書と売主と買主が署名・押印した売渡証書を預かり、その他の所有権を移転する書類と共に登記所(法務局)へ行き、所有権移転登記を行う。
 土地と建物は登記簿が別なので、それぞれに登記を行う必要がある。また、新築の住宅を建てた場合は、所有権保存登記を行うことになる。
 その後、売主の持っていた権利書からは権利が抹消されるため、権利のない書類となる。
 登記所では、登記簿の所有権欄(甲区)に所有権移転の事実が記載され、その他の権利(乙区)として売主の抵当が抹消されたことが記され、続けて買主の抵当が新たに記載される。
 買主には登記官の登記済みの印が押された売渡証書が戻ってくる。これが新しい権利書となる。

 

物件の引き渡し

 決済の当日に引き渡す場合もあるが、これに前後する場合もあり、また、順次引き渡しの手続きが行われることが多い。

 権利関係の法的な手続きは決済と同時に進行するが、現実の明け渡しは別のスケジュールで行われる。
 まず、鍵の受け渡し。玄関、勝手口、物置や門など普段使わない鍵もあるので要チェック。
 固定資産税の精算は通常決済の日に終えているだろう。
 後は、水道・電気・ガスなど物件に付属する設備の使用人名義変更が残っている。

 水道:専用の書類に売主(旧使用者)・買主(新使用者)双方の記名と印鑑(認印でよい)を行い市町村の水道課へ届ける。
 電気:電気代の請求書や領収書に記載された番号を電話で伝えれば変更可能。
 ガス:電話で変更を申し込む。しばらく空き家になっていたときなど休止になっている場合は、入居日に合わせてガスの開栓を依頼する。
 電話:これは物件に付属していないため、それぞれ自分の権利を移転するように電話で申し込む。


不動産の取引後


不動産を買った人不動産を売った人

買ったときの税金

 ここまでの段階で、印紙税、登録免許税を支払ってきた。幸い贈与税は住宅資金贈与制度の中で減税された。
 不動産を購入後しばらくして、不動産取得税の納税通知書が送られてくる。

 不動産取得税には居住用の宅地や建物の軽減措置が設けられていて、都道府県の税務課に申請をすることで猶予・減額・還付を受けることができるものだ。
 宅地を買い、建物も完成している場合、税金を支払う前であれば減額の申請をすることになる。
 用意するものは、通知書売買契約書建物の登記簿謄本印鑑だ。(都道府県によって異なる)
 これらをもって都道府県税事務所へ出向くと申請書類が用意されている。ほとんどの場合、40万とか50万という税額が0〜数万円になる。
 支払ってから還付請求も同手順でできる。また、土地だけを先に買った場合(建物の登記簿謄本がない)、2年間の猶予申請を行う。

確定申告

 住宅を買ったから所得税を払うということはないけれど、確定申告を忘れてはいけない。
 それは住宅取得促進税制によって、所得税の軽減を受けることができるという話を聞いた。
 建物の購入・改築の際に金融機関から10年以上の借入をした場合、最長で6年間(平成15年12月31日までに居住の場合は10年間)、借入金の残額に応じて所得税の減額が受けられる。そのためには必ず確定申告を行わなければならない。

 申請に必要な書類:

  1. 建物の登記簿謄本(抄本)、新築工事の請負契約書又は売買契約書の写し
  2. 住民票の写し
  3. 金融機関から送られてくる住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書

 申請後、残り5年分の軽減額を確定した証明書が送られてくるので、サラリーマンの場合これを1年ごとに年末調整で使用する。

不動産を持っているとかかる税金

 5月になるとその年の1月1日の所有者に対して固定資産税(市町村によっては地価税を同時に)の通知が送られる。

売ったときの税金

 個人が不動産を売却したとき、契約書に貼る印紙税、登記に必要な登録免許税、仲介手数料や司法書士への報酬には消費税を支払った。
 その翌年の確定申告で、売却による所得(譲渡所得)の税額を決める作業が残っていて、この申告により所得税と住民税が決定される。

 譲渡所得には長期と短期があり、居住用の不動産ならば3000万円の特別控除を受けることができる。
 居住用不動産として特別控除を受けることができるのは、(1)実際に居住していたこと、(2)住まなくなった日から3年後の12月31日までに譲渡した場合だ。
 所有期間が5年を越える長期の居住用不動産を売却した場合、さらに幾つかの特例を受けることがある。
 共有名義の場合、各人が3000万円の控除を受けることができる。

 売却金額(譲渡価額)から、その不動産を取得したときの購入額と取得に要した費用(取得費)と譲渡に要した費用(譲渡費用)を差し引いたものが譲渡所得金額となる。
 さらに、特別控除額が差し引かれた額に税率がかかるわけだ。
 また、計算により売却金額が低く、譲渡損失となった場合には、所得税の還付を3年間の繰越控除として受けられることがある。

確定申告

 税務署が登記の事実に基づいて分離課税用の確定申告書が事前に送られてきた。
 不動産を売却した翌年の3月15日までに譲渡所得の申告を所轄の税務署にしなくてはいけないのだ。
 2月15日頃から申告の期間が始まり、その期間内に書類を用意して税務署へ行くと、簡単な内容の確認を受けて書類の提出をするだけだ。

 ここで必要な書類を確認しておこう。
 売買契約書、

 居住用財産の3000万円特別控除を受ける場合:

  1. 譲渡した日から2カ月経過後の除票住民票(旧住所地の市町村役場)
  2. 譲渡所得計算明細書(譲渡のおたずね

 所有期間10年超の居住用財産の特例:

  1. 譲渡した不動産(土地・建物)の登記簿謄本または抄本
  2. 譲渡した日から2カ月経過後の除票住民票(旧住所地の市町村役場)

 居住用財産の買い換え特例:

  1. 譲渡所得計算明細書(譲渡のおたずね
  2. 両物件の登記簿謄本売買契約書
  3. 新住所地の住民票と旧住所地の譲渡した日から2カ月経過後の除票住民票(市町村役場)

 その他、様々な形式の特例措置が用意されているので、しっかりと確認をしておこう。

 その後、税額の確定がなされて、通知が来るか、税額が還付される。

 税務署へ申告した内容は市町村へも連絡され、6月までに納税通知書が送られてくる。


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